第3の迷路 ~繋がりたいゾーン~ 9回目

20151028112257

浅子:はい、そうですが・・・。母をご存知なんですか?

ロイの母:あなた、もしかして・・・・。

(ロイの父が書斎から数枚の写真を持ってくる)

ロイの:この子は、アサコ、君だね。

浅子:私の赤ちゃんの時の写真!
  あ、これは七五三の写真、そして幼稚園の時の写真もある!

ロイ:お父さん、これは一体どういうこと?!

ロイの父:まったく若気の至りと言うか、
  お恥ずかしい話なんだが、30年ほど前に、
  ワイキキで日本人旅行者の女性と知り合って、意気投合してね。
  明るくて気のいい女性で、お酒の勢いもあって、
  一夜を共にしてしまったんだ。その女性がキリコなんだ。
  彼女は友人と一緒だったから、すぐにホテルに戻って、次の日には日本に帰国したから、
  それっきり、あとくされのない関係だと思っていたのだが・・・。
  思いがけず、キリコが妊娠してしまって、
  そのことをあとから日本人の男性から知らされたんだ

浅子:そんな、まさか、そんな・・・。(身体が震えだす)

ロイの父:彼はいろいろ手を尽くして私のことを探して、
  もう堕胎は難しい時期になっているから、日本に来てキリコに会って、
  今後のことをちゃんと話し合ってほしいと伝えにきたんだ。
  初めは私のことを陥れて、お金をだまし取ろうとする連中かと思って、
  突っぱねたよ。新手の詐欺かと思ってね。
  第一、本当に私の子供だという証拠もなかったしね。
  そしてその時は彼女(ロイの母)と付きあっていたから、
  余計なことに巻き込まれたくなかったんだ。

ロイ:ちょっと待って!頭を整理させて。
  じゃあ、浅子はお父さんの子供なの?僕と浅子は姉弟ってこと?

ロイの父:・・・・そういうことになる。

ロイ:そんな!

ロイの父:あとで彼は、赤ちゃんが無事に生まれたこと、アサコと名づけたこと、
  協力して育てていくことを写真付きで知らせてくれたんだ。
  アサコの写真を見た時、自分の子供だと確信したね。
  目元が私にそっくりだった。
  それからも彼は幼稚園に入ったころまで、
  写真を送ってきてくれて、アサコの成長を見せてくれた。
  会いに行きたかったが、今さらそんな資格もないし、
  ちょうど私達の間にもロイが生まれて・・・。

浅子:あなたが、私の本当のお父さん!そして、ロイは私の弟・・・。
(浅子、ロイの家を飛び出す。ロイが追いかける)

*************

A:あのう・・・・こんなこと言っては何ですが、
  めちゃくちゃベタな展開じゃないですか。
  今どき昼ドラでもこんなことにはならないですよ。
  すぐにチャンネル変えられますよ。

M:アマテラスさまと浅子さんと私の3人で、
  この迷路の物語を考えた時、ここは意見が分かれたとこなんだけどね。
  肉体関係を伴わない恋愛と別れを経験するには、
  こうするしかないかという結論に至ったの。
  浅子さん、さびしがり屋だから、すぐ男性と寝てしまうのよね。
  そんなに好きでもないのに。
  バランスを取るために、プラトニックな愛を経験する必要があるのよ。

(続きは明日へ)

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