第4の迷路 ~貢献したいゾーン~ 20回目

20151201121942

~産院にて~

音也:
浅子、がんばれ~、もう少しだよ、もう頭が見えて来たよ!

浅子:
音也、歌って。
あわの歌で赤ちゃんをこの世に迎えてあげて。

音也:
よし、わかった!心をこめて祝福の歌を唄うよ。

(ウクレレを持ってきて、あわの歌を唄い出す)

助産婦:
はい、いきんで。
そう、あと少し、ほら、出て来たわ!

(赤ちゃんが助産婦さんによって引き出され、取り上げられる)

男の子よ、おめでとうございます。

音也:
わあ・・・ようこそ!ようこそ俺たちのところへ!
初めましてだね。俺が君のお父さんだよ!

浅子、良く頑張ったね。君はすごいよ。
ありがとう!本当にありがとう!

(音也、感動して泣く)

(助産婦さんが赤ちゃんを浅子の胸に持っていく。浅子は赤ちゃんを見て微笑む)

浅子:
無事に生まれてきてくれてありがとう。
ああ、なんて可愛いの。
うふふ、やっぱり音也に似てるわね。

音也:
じゃあ、きっと男前になるよ、良かったな、息子よ。
でも、君はおとなしいね。

助産婦:
・・・おかしいわね、泣かないわ、正常分娩なのに。

(浅子が赤ちゃんの頭と背中を優しくなでる)

正勝:
おぎゃあ~、おぎゃあ!

音也:
ああよかった。びっくりさせるなよ~。君は人見知りかい?
男なら、もっとワイルドに行こうぜ、息子よ!

(3ヶ月後)

浅子:
もうおっぱいはいいの?今日もあまり飲んでくれないのね。
飲んでも吐くことが多いし、心配だわ。
脚も心なしかぐにゃぐにゃしているみたい。
大丈夫かしら。

音也:
ただいま。農園で採れた野菜、持って来たよ。
正勝の様子はどう?浅子、顔色悪いね。
俺が正勝を見てるから横になったらいいよ。
また夜泣きをずっとするかもしれないし。

浅子:
他の人も子育てってこんな感じかしら。
母親業って本当に大変ね。
世のお母さん方を尊敬するわ。

私の母もこんなふうにして私を育ててくれたのね。
今さらながら、リストカットばかりして申し訳なかったと心から思うわ。

(6ヶ月後)

浅子:
おかしいわ。
まだちゃんと首がすわらないし、寝返りもうたない。

定期健診では焦らないでもう少し様子を見ましょう、と言われたけど、
他の赤ちゃんはもうお座りができているわ。

焦らないでと言われても、心配で仕方がないわ。
何で正勝だけこんなに遅れているの?何がいけないの?

アマテラス様、聖母マリア様、これはどういうことでしょう。
どうか正勝をお守りください。せめて首が座って、寝返りを打てるようにしてください。

(浅子、正勝のベッドサイドで疲れて眠ってしまう。
アマテラス様が金色の光を正勝に送る。
マリア様が浅子をブルーの光で繭のように優しく包む)

音也:
あれ、浅子こんなところで寝ちゃってる。
毎日ほんとにご苦労さま。(浅子に毛布をかける)

おや、正勝、目を覚ましたのか?珍しいな、泣かないんだね。
どこを見てるの?何だか嬉しそうだね。

さあ、抱っこしよう。あれ?首が座ってる!
わあ、よかった。これで寝返りも打てるようになるね。

(アマテラス様と聖母マリア様が正勝に微笑んでいる)

(続きは明日へ)

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